『DIVERGENT』わずか16歳で所属する派閥を決めなければいけない世界…/ヴェロニカ・ロス著


今回ご紹介する一冊は、

ベロニカ・ロス(Veronica Roth)著の

DIVERGENT』です。



あらすじ

文明崩壊後のシカゴの街。そこでは人々は国や民族、宗教、政治思想等の相違ではなく、性格の相違によって決まる5つの「派閥」に割り当てられて日々生活しています。

それらの派閥は、無欲を司る「アブゲネーション」、平和を司る「アミティ」、高潔を司る「キャンダー」、博学を司る「エリュアダイト」、勇敢を司る「ドーントレス」に分かれています。

彼らは生まれながらにして派閥を持っており、人々は16歳になると、自身の適正診断を受け、自分の生まれ育った派閥に残るか、違う派閥に移籍するかを選ぶことが出来ます。

そして、16歳にしてどこの派閥にも入ることが出来なかった人々は、【ファクションレス】として、非常に貧しい暮らしをすることを余儀なくされます。

主人公のベアトリス・プライアーは「無欲」を司る『アブネゲーション』に生まれましたが、適性診断で、「アブゲネーション」、「エリュアダイト」、「ドーントレス」の3つのグループの適性があると診断されます。

そうして迎えた「選択の日」。ベアトリスは悩んだ挙句、勇敢を司る「ドーントレス」に移籍することを決意します。ですが、「ドーントレス」に入れるのは過酷なサバイバル・ゲームを生き抜いた10名だけ。果たしてベアトリスはうまく【ドーントレス】として生きてゆくことが出来るのでしょうか...?

 


感想

世界観

めっちゃ好き。

始めから異様な社会って感じが半端ない。ハンガー・ゲームほどのディストピア感、悲惨さはないものの、主人公の「無欲」であろうとする様子、他の派閥とのかかわり方など外から読者目線で見ているとどうしても異様な光景で、なんだかじわじわ来る作品でした。

一方、世界観は少し薄い印象も受けました。作中に各派閥の入り組んだ設定がありますが、全体を通してみると「この社会どうやって成り立ってるんだ?」と疑問に思う点も多いです。

本の最後の部分に作者の世界観構成に関する説明が少しあり、その説明を読むと少し疑問は解決しますが、物語だけを読むとやっぱり少しわかりにくいと感じることもあります。


登場人物が魅力的

登場人物がとにかくかっこいい。主人公の力強さはもちろんですが、もう一人の登場人物である青年・フォーがとにかくかっこいい。

主要な登場人物の一人に、フォー(Four)と名乗る青年がいるんですが、この人がもう…かっこいい。『フォー』っていうのはあだ名で、本名を隠して生活してます。

個人的に好きすぎる設定です…。立場的には主人公の先輩的な感じの人で、何かと主人公に助言してくれる。でも毒舌で時折辛辣なこと言ってくる。けど本人も暗い過去があって、何かと優しい。

めっちゃかっこいいです。読んでいくうちに間違いなく惚れます。


作者情報

ヴェロニカ・ロスはシカゴ在住の作家で、主にヤングアダルト、SF、ファンタジーなどを書いています。代表作は『Poster Girl』や『Chosen Ones』、『Divergent』シリーズなどです。


続編情報

『Divergent』シリーズは全4巻で完結しており、それぞれ
『Divergent』『Insurgent』『Allegiant』『Four』の順番になっています。

これらは日本語訳もされています。


まとめ

物語の始まりから新しい世界に入っていく主人公が魅力的で引き込まれました。皆さんもぜひヴェロニカ・ロス著『DIVERGENT』を手に取っていただけたらと思います。



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